好きな店が閉店してしまった。言い表せない透明な嵐が心を通りすぎる。
もう心が折れた日に救ってくれる場所はなく、再度探しに立つのも億劫で、泣きたくても泣けないし、泣いたところで何か、その事象が良くなるわけでもない。残念なことに。
それでも生きていかなきゃならないなんて、なんで?どうして?
とにかく生存するために、当面の目標をたてて生きる意味なんて考えないようにする。それ位しかない。
愚痴を言ってスッキリできればいいんだけど、吐き出した所で誰がなぐさめる訳でもなく、本当に好きだった。せめてお礼の手紙を送りたい。死なせてくれなくてありがとう、と…。
世界から隔絶された街のはなし。車で行き止まり。歩けばまだなんとかなる。
はしのした。
だから住人はちょっと遅れている。
どのくらい遅れているのかというと、ジャンプが1週間遅れ程度。べつに不便ではないが、学校での話題について行けない。橋の上に出て、歩いて10分程度のコンビニに行けばいいのに植原は1週間遅れでいいとかぬかしやがる。
警察に捕まった。
身に覚えのない殺人容疑。しかし、証拠があると譲らない刑事に、証人としてその日一緒にデートした彼女を呼ぶ。
デートコースだったイタ飯屋前の道路に設置された防犯カメラには、確かに店に出入りする二人が映っている。
刑事から特別だと見せられた犯行現場のカメラ。そこに映っているのは紛れもなく自分だった。
ドッペルゲンガー…??
後味も悪く署を後にすると、1人の男に待ち伏せされていた。