敵を倒して皮をなめす! →牛皮小物作品が増え、戦隊の維持費に。
レッド:跡を継いだばかりの新人。
ブルー:作家然としたオバサマ。
イエロー:3・4年前から入った子供。
グリーン:ムキムキの職人。
ピンク:1・2年前から入ったオカマ。
ギックリ腰になった老人レッドのかわりに、新しい戦士が必要。
そこで選ばれたのは、レッドの孫である引きこもりニートであった。
若レッドが入るまでは、臨時でピンクがレッドの役割をやっていたため、まっさきにピングがガチギレ。
まだ子供のイエローまでもがレッドを格下認定する。
ブルーおばさまだけは優しく接してくれたが、裏でこきおろしている所を立ち聞きしてから、レッドが基地に来なくなる。
そこをなんとかしたのがグリーンで、だんだん立ち直っていくレッドの成長物語的ななにか。
忘れ去られたような空。
濡れたサンカクの椅子。
レンガを踏み台に飛ぶ。
ヒルガオは笑っている。
立てつけの悪さできしむ灰色のドアを、強引に、押し倒すように開け放つ。真昼ヶ丘紫朗は振り返った。受付という札が立っている机をはさんで向かい合った近藤は、薄笑いをうかべて言い放つ。
「もう二度と来るんじゃねえぞ、ヒルガオ」
「来るか!」
紫朗は叩きつけるようにドアノブを閉めた。
無骨に続く、暗い階段の下。出口からは長方形の光が、紫朗を別世界へと誘うように手招いている。
腹いせともとれる大きな靴音を鳴らし、光の向こうに出たはいいものの、そこは別世界などではなく、紫朗の気など知らないスーツ姿の人々が行き交う、昼のオフィス街でしかなかった。
探偵事務所で働く近藤は、紫朗の、高校時代の同級生であった。
久々に連絡がきたと思ったら「おまえの嫁さんが素行調査を依頼しにきたんだがな」と開口一番。
三万で依頼拒否。
五万で捏造。
さきほど事務所内で叩きつけた五万入りの茶封筒が、紫朗の頭をかすめる――あいつ、あの金で今夜は豪遊するんだろうな。
誰かと肩がぶつかる。事務服のOLが小声ですみませんと謝った。睨みつけると背中をまるめ、逃げるように去っていく。
「チッ、」
唾を吐き、転がってきた空き缶を踏みつぶし、悪態をついてはみたものの、気は晴れるどころか曇天である。妻の真昼ヶ丘優子の顔がうずまき、重く、のしかかったままだ。
会社のホワイトボードには、社外接待の後、帰宅と書いて出てきた。愛車のエンジンをかけると、紫朗はハンドルを、自宅とは反対の方向へ切った。中心街を抜けるととたんに片田舎のように、田んぼと山が並びはじめる。
選んだCDは曲目が書かれていない鈍色の銀盤だ。信号待ちの合間に入れる。
最近の、妻の様子を思い出す。どこかよそよそしく、そわそわしている風にも見える、と紫朗は思った。
素行調査の事さえ知らなければ違っただろうかと自問する。
少年はビル・エバンスの事を知っていて、わざとギルと呼んでいた。
そう、ヒルガオ。
よくわかったね。
ぼくはギル・エヴァンスの中でもアリスの演奏が一番好き。
ぼくとちがってあんなにロマンチックで……。
三角の風変りな椅子に腰掛け、足をぶらぶらさせながら少年は、それきりだ。
キルキッシュ・ガーデンは光にあふれ、けれど少年にはいつも暗い影がまとわりついていた。
それを伝えると、美しい角度で微笑みながら決まって、こう言う。
オーケイ、ヒルガオ。
じゃあぼくを笑わせてみなよ。
――もう笑ってるだろう、エンデ。
ここはアリスの庭のようだった。忘れ去られて手入れもない、伸び放題の花たちは雄々しく、今にも喋りだしそうだった。時が止まったかのように、雲は動かない。
ぼくの墓地だ。
ぼくはここに眠ってる。いつでも来ていいよ。
空は切り取られ、だれからも忘れ去られている。
エンデと遊ぶいくつもの退屈しのぎの中で、ヒルガオがいちばん気に入っているのは懺悔ごっこだった。
手作りの花冠は、ひきちぎったツユクサの紫で濡れ、三角イスの上に仰々しくエンデが立ち上がると、残酷な事に花弁はすげなく落ちた。
その辺からひっぱってきたブルーシートをまとい、エンデは神のまね事をする。
ヒルガオは、せっかくの洗いたてのシャツを土で丹念に汚し、浮浪者を装った。
神よ!
ワタシは父と母を殺しました。
とびきりうまい罪を思いつかないときには、エンデは決まってこう言えとヒルガオに命令した。ヒルガオの頭に手をのせ、許すとつぶやくエンデの顔はいつも曇っていたが、それはヒルガオの錯覚かも知れなかった。
閉じたまぶたの向こう側が見えるのは、この場所にはなにひとつ動くモノがないからだろう。
キルキッシュ・ガーデン。
名前をつけたのはエンデだ。
ぼくはキッシュが好きだから、と少年はいたずらっぽく瞳を細めた。それも、ほうれん草のね。
でも夜に笑っちゃいけないよ。
声も、たてちゃならないんだ。
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