■ かんたま ■
魂管理課の主人公・神無月が、様々な魂の未練相談をうける。
魂管理課の主人公・神無月が、様々な魂の未練相談をうける。
地獄の輪廻を管理する少女の話。何らかの理由で(主に自殺が理由)輪廻がねじれてしまった人間の輪廻を、七回目の転生で見直すというシステムがある。様々な理由でねじれた運命を少女の審判のもとに戻す。
そうだ、その黒は俺が塗った。
夜に輝く摩天楼のてっぺんで、自殺防止の白い柵に黒のリボン巻きつけアンタの葬式をしよう。
右手にかかえこんだ黒のペンキと左手に持った黒のスプレー缶で、横たわり眠る白のベッドを白の毛布を、顔にかけられた白布を、歌いながら黒に染め上げる。
季節は5℃ 星は雪を降らせない。
角度は68°安全装置は外したか。
さあ、シルバーインフィニティで月を撃ち落とす準備だ、カージオ。
☆
小さな島国から数百キロメートル離れた海上に、同国が造り上げた円形の人工島群がある。
円島(エントウ)と呼ばれるそこは、巨大都市型円島を中心に、用途別にカテゴライズされた中規模円島が12ほど配置され、更に、それらをとりまく生活拠点の小規模円島が隙間を埋めるように2000ほど置かれている。
その中のひとつ、ブルーデルタに属する小規模円島コメリートは、10年にいちどのメンテナンス時期にあたっていた。
小規模円島専属のメンテナンス員であるカージオ・カルッツオーネは、進水/潜水両用小型船を1時間ほど操縦し、ようやくコメリートの港に到着した。
海底資源探索のための中規模円島・ブルーデリタは、数ある円島の中で最も古く、その周辺住居地として造られたコメリートも、もちろん旧式初期型円島であった。貼り付いた貝が腐る、コンクリート製の角ばった港。波を凪にするための堤防もついておらず、新人のメンテナンス員にとっては仕事の前から試練である。
カージオは、こととら慎重に船を操作したが――、ゴゴン、と、船内に振動が走り、船体は大きく左へ傾いた。
「あぁ、くそっ」
ぶつかってしまったものは仕方がない。そう、誰にともなく呟き、彼は船内から這い出した。碇を海中に投げ入れ、次いで舫い杭めがけて綱を放る。ようやく傾きがおさまり、船は、横付けする形で泊まった。
しかし。これはまだ仕事の前段階。
カージオは気をひきしめるためにパンパンと両頬を叩くと、船内に戻り書類鞄を探した。乱雑に散らばった床からそれを拾い上げ、彼はコメリートへと上陸した。
空は、カッと突き抜けるような青。カージオの真上から、怒り狂ったような太陽光線が降り注いでる。コンクリートに反射し、下からもつきあげてくるなんて拷問だ、とカージオは心の中で嘆いた。
遠くには人工山。ぼうぼうと生い茂った熱帯植物たちの鮮やかな緑は、もはや人工の領域を超えている。円島がいかに古いものかを物語るのは、自然と化した人工の山だけではない。港から真っ直ぐのびたメインストリートは、崩れかけた廃墟の山だ。立ち並ぶ廃墟たちは、どれも、数十年以上捨て置かれたものだろうとカージオは検討をつけた。
カージオは船に引き返し、当座の食糧や飲料水を確認した。三日分である。
円島メンテナンスは最低でも一週間はかかる。
周囲の円島へ行き、また引き返してくるとなると、納期に間に合わない。
段ボールの前でしゃがんだまま、どうしたものかと考えていると、カージオの頭上からコツコツと音が降ってきた。
振り返る。
船の、曇ったガラスの丸い窓に、老人の顔があった。
瞬間、同僚のメンテナンス員の声が脳内に再生される。
『……あの偏屈なジジイには逆らうなよ……』
船内から出ると、老人はひょいと跳んで港に立った。すいぶん元気そうな老人である。カージオは同じく跳んで港に立つと、しばらく思案し、簡単な挨拶でもと考えた。
右手を差し出す。
「小規模円島のメンテナンスに来ました。カージオと申します、よろしくお願いします」
老人の眉毛がぴくりと動いた。
「フン、勝手にしろ! わしぁ帰る!」
バシリと、カージオの右手に衝撃がはしる。叩かれたのだ。もしくは、老人流の挨拶のつもりかも知れない。踵をかえし、ずんずんと廃墟の道を歩いていく老人を、カージオはしばらく見送った。
それから三日。
メンテナンスは順調に進んだ。
まずは円島の外周を、潜水しながらぐるりと目で確認する。円島は、ブートと呼ばれる半円がドッキングした形になっている。地上部分となる第一層、海との境界に第二層、そして海中に、浮力確保のための第三〜第五層がある。
ブートの切れ目や層の隙間に異常がないかを確認し、チェックシートに記入する。次に、船に取り付けられたアームで
海草が引っかかっていたり魚の巣となってしまっている部分を除去していく。
三層〜五層の、円の真ん中はくり抜かれており、空洞となっているそこには浮力ボックスがある。目視で確認し、カージオは浮上した。
腹が鳴る。
食料は尽きている。
仕方がないので
データベースにはそれぞれランクがあり、主人公はそのなかのプラチナデータの守り人。
しかし何のデータかは主人公も知らない。世界史のようなものが納められているとは聞かされているが……。
水口遼平(シュイコウ・リャオピン)…プラチナデータの守り人
深星(シェンシン)…名はわからない。アメジストデータの守り人。不思議な無口さん。
レフテナ…ダイヤモンドデータの守り人。色気ムンムンの女性。
自宅とか、セットしてある道筋の項目に、運命の人というデータあり。新しい彼女がそれを発見。
どういう事?!→行ってみる?→墓場に着く。
昔の死んだ恋人の墓。帰ろうと車に乗り込んだ時、彼がその項目を削除してエンド。
ベトナムに、天女のお告げで造られた塔があった。
七階建てのそこにエスカレーターをつけようとする。
ベトナムでも出生率の話は問題になっており、高齢化が進んでいる。しかも、近代化にともない人民の宗教観すら変化してきている。仏神に対する供物や労を納得できなくなってきたのだ。そのため、塔のエスカレーターの話はかなり良い方向で進んでいた。エレベーターではなくエスカレーターという点でも受け入れやすかったのではなかろうか。マニ車的な観点である。
で、これに怒ったのがカーリー神。
どういう風に怒ったのかはこれから考える。塔のエスカレーターは、ぐるりと塔の周囲をかこむ感じ。最新技術で円形に。
神水……旧暦の5月5日(薬日)の正午に降った雨水が、竹の節に溜まったものをいう。
三神と司稜は、神水の巫女と宮司。宮の外は鬱蒼とした竹林で、毎年神水を集めてまわる。
生前の私のほうは天涯孤独のみでやっと結婚するまでに至った男に殺されてしまう。
はがれるほうの私の本体、思念体?は、火星からやってきて私の大切な箱を探している。だから動きやすいように私に成った。
動いた私は私の双子の妹とウソをついて暮らしはじめる。
私は私だけれど、もう生前の私が好きだった色や私を殺した男のほうはもうどうでもよくなっている。
けれど一応私なので、私の今までの生活習慣や私自身の記憶は残っている。
思念体のほうが弱いので、本来ならできるはずの火星への通信や、火星の箱の感知すらできなくなっている状態。
私は箱をさがしはじめる。
見つけることはできるのであろうか?