作品未満。

■ コシ・アン・トゥッテ ■

こしあんが大好きなA子とB子の姉妹。 それに付き合っている、同じくこしあん好きなA男とB男。 A男とB男がバーで、こしあんの話で盛り上がっていると、大納言金時という自称哲学者が、女なんて甘ければ何でもいい、その時その時でつぶあんにシフトすることもあるだろう、と説く。 そこでA男とB男は、大納言金時の言うまま、ひとつの計画を実行に移す。 毎年二月に開催されるあずきフェスタには、それぞれカップルで参加する予定だったが、男たちは二人、突然の訃報で行けなくなってしまう。 悲観にくれるA子とB子。 しかしチケットは無駄にはしないのが女(大納言金時:談。 A子とB子は、やはり女だけでもフェスタに参加した。 そこへ、変装したA男がB子へ、B男がA子へ、それぞれ 「こしあんよりつぶあんもいいんじゃない?」 と甘いマスクで言い寄る。 自分のこしあんへの情熱は鋼のように硬いとはねのけるA子。大してB子はすぐに心がゆれる。 A子は、つぶあんを楽しそうに食べるB子を前に、変装したB男の熱烈なアピールによって、ついに、つぶあんに手を出す。 それを見ていたA男は変装をといて怒り、変装していたB男も、B子に幻滅だと言い放つ。 その時、大納言金時が颯爽と登場し、 「女はみな、こういうもの!」 と言い、その場を丸くおさめる。 なんと、大納言金時は、あの「あずきの神様」とうたわれる、日本一のあずきパティシエだったのだ! (モーツァルトのオペラCosi fun tutteのパロディ)

■ ゴールド在住 ■

金に棲む妖精的な存在。 金庫に金が入っている家で祖父が死んだ。遺言状が入っているという事で、遺族が集まり久々に開けることとなった。出てきたのは遺言状のほかに、家と山の登記書類・ドル為替・様々な株式・宝石がついた指輪(先に死んでいた祖母のものと判明する)・金の延べ棒。この金の棒のうえに、小人が寝ている。見えてるのは主人公だけ。祖父の遺言状には、金の言葉を理解した人間にやる、それ以外の人が持つと不幸しか呼ばないと書かれていた。主人公は見えるというのを黙っていた。結局叔母がゲット。だが、叔母は悪夢をみるようになり金を家に持ってくる。今度当主となった父親は理解ある人間で、金を金庫に戻し、叔母には為替をいくつか与えた。主人公は父親に言ってみるか迷う。

■ 氷の上のカカン ■

スケートの話。 地図にすら載っていない、日本最北端・北海道の某所にある湖のほとりで育ったカカンは、スケートが大好き。 そんな彼女を見染めたのは、日本スケート界を引退して傷心旅行に出かけたリュオだった。 オリンピックも散々な結果に終わり、これからどうしようかと思っていたリュオだったが、カカンの「楽しむスケート」に心奪われる。 だが、ちゃんとしたスケートを教えようとしたけれど、カカンの魅力はどんどん減っていく。自由に楽しむ事こそカカンのスケートだったのだ。 最終的には北海道でスケート教室を開くことになる。




■ 殺されたければ小指を曲げろ ■

まどろみのなかに悪魔があらわれた。 その悪魔はこういった。 ――殺されたければ小指を曲げろ。 まどろみから覚めた女性は病室の窓を見上げる。 入院の当初はよく立ちあがって開けたのに、今では起き上る事すらひどく苦痛で。 そこへ夫がやってくる。 毎日くる夫の様子を見れば、余命も残り少なくなっていることなど手に取るようにわかる。 それだけ愛し合っていたのだ。彼のことなら何でも分かる。ひた隠しにしているが、分かるのだ。すまないと一言残し、女性は小指を曲げる。 夫は、本当は悪魔だった。人間の彼女に恋し、悪魔をやめたのだった。 悪魔をやめるとき、上司が餞別にくれたものは、たった一回だけ悪魔の力を使えるという約束だった。ただただ彼女の苦痛を和らげたいと願う一心で、彼は彼女の夢に現れた。 でも、本当は死んでほしくなどなかった。 何もわからない。 悪魔だった頃はもっとハッキリ物事を割り切っていたような気がするというのに……、彼は、彼女の死をもって、本当に人間になったのであった。






■ ゴルドフヰトル003 ■

現代版・アラジンと魔法のランプ的なやつ。 その昔、アラジンは魔法のランプを持っていた。拭くと魔人が現れ3つ願いを叶えてくれるというランプを。 主人公・はねる(苗字未定)……高校に入り、あこがれの吹奏楽部へと入部した女の子。蔵から祖母が使っていたというフルートを持ち出し、部活に行く。だが、フルートは壊れていたらしく鳴らない。がっかりしたはねるだったが、やさしい先輩から備品のフルートを借り、楽しい部活となった。 だが帰り道、蠢く影に襲われる。逃げまどうはねるだったが、突如現れた赤いフェラーリに助けられる。だが、その運転席に座っていたのはヤクザな顔の男だったのだ。 ヒーロー・飛澤竜田(とびざわ・たつた)……飛ぶように走る、赤いフェラーリに乗る男。長い髪・スーツ・葉巻。どう考えてもヤクザ者。だが、その正体は魔法使いだった。 後部座席にあった(盗んだ現金がたんまり入ってそうな)ケースの中身は金色のホルン。このホルンは魔法のホルンで、吹くと魔人が現れるという伝説がある。だが、彼はこんなもの壊してしまえばいいと思いながら生きてきた。 なぜ今まで壊さなかったかというと、この種の魔道具があとふたつこの世に眠っていると生前の祖母から聞いたためだった。飛澤は全ての魔道具を破壊すべく、世界各地を飛びまわって探していたのだ。 はねるの持つフルートを壊すため、その話をはねるにきかせることとなる。

「……魔法のホルン…?」 「あぁ、そうだ。お前はアラジンと魔法のランプの話を知っているか? お前のフルートも同じモノだ。あのランプ、俺のホルン、お前のフルートで3つめだ」 「拭けば魔人が……えっ…? ふけば……、吹けばっ!?」 「吹けなかっただろう?」 「………」 「いいんだよ、こんなモン。吹けなくてな」
先輩(名前未定)……はねるを襲わせた張本人。裏の魔法的な世界と繋がりがあり、呪術関係に詳しい。世界部活の時にはねるが持ってきたフルートを見てその圧倒的な内臓魔力に驚くが、それを裏に隠してやさしくした。 部室のフルートと交換するときにはねるのフルートを触り、確信する。これこそが探し求めていた魔具だと。魔人を呼び出して叶えたい願いはただひとつだった。 だが、はねるを襲っている時に運悪くフェラーリにはねるを横取りされる。舌打ちしたが、こちらは学校生活があると思い当り不気味な笑みを漏らす。可愛い後輩をとことん油断させ、奪い取るつもりだった。 フルートの魔人……はねるが吹いて呼び出してしまった魔人。人魂のような形から、人間に変形する。 以前、はねるの祖母の願いを3つ叶えてやり、眠りにつく。 アラジンの話をなぞった「あなたを自由に!」というはねるの願いは却下される。 存在意義の消失をおそれるちょっとヤンデレ気味の性別不明さん。




■ 極楽☆カカパラポンチ ■


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