■ 魔女ラクタカーヨ ■
テイラ川のラクタカーヨといえば、王国の者なら誰もが一度は名を学ぶほどの大魔女である。
彼女は、雨季のたびに氾濫する暴れ川として有名だったテイラ川を、現在のような蛇行するゆるやかな川に変えたのだ。その功績は歴史の教科書にも載るほどであった。
そんなラクタカーヨは、暴れ川時代に住んでいた場所に今でも居を構えている。百才を超えてなお若々しい美貌を保ち、たまに訪ねてくる相談者の相手をしてのんびり過ごしている。
そんなある日、城下の繁華街に出かけたラクタカーヨは、六枚羽の天使エブラ族の少年を買い取った。