■ 草下米穀店の迷走 ■
店の売り上げが落ちて、三代目を継ぐ娘が手広くやりはじめて迷走。
店の売り上げが落ちて、三代目を継ぐ娘が手広くやりはじめて迷走。
ボクの住んでいる地域は、見渡すかぎり田んぼが広がる平野です。
とてつもない強風地域で、冬になると降り積もった雪が風に舞い上げられ、地吹雪という状態が毎日のように続くような、そんな場所です。
だけど、ボクの中学校にはお金がないのでスクールバスというものは存在しません。
ボクたちは毎日、自転車で登校しています。
向かい風の中で自転車を走らせるのは大変疲れますが、この校舎の秘密を隠すことよりは楽だと、皆が言っています。
中庭があるって、どんな豪勢な中学校なんだよ。
そこだけが、他の大きな中学校に自慢できる所で、あとは、もぉイイやってカンジ。
彼女は元気でしょうか。
まだ僕からの連絡を待って、あの蜉蝣にも似た青白い瞳を潤ませているのでしょうか。
残念だけれど、僕はもう戻る気になれません。
こうして時々、彼女との日々を思い出して温かい気分になるだけでいいのです。
あの時は本当に恐怖だったのだけれど、時間は僕を冷静にしてくれました。
今はきっと、彼女に会っても冷静で居られるでしょう。そう確信しています。
しかし、戻る気にはなれません。
僕と彼女との間に何があったのか、貴方は聞きたいですか?
…そうですか。
聞きたいのなら、緑の稲を切るように跳ぶ、あの銀色とも白とも青ともつかない、一匹の蜉蝣を思い出してください。
彼女を目の前にすると、いつも僕の目の前に蜉蝣がちらつくのです。
そしてそれがすべての原因だったのです。
若い頃、クレオパトラの主治医であったオリンポス。
現在では、クレオパトラと離れ町の一角で妻と仲良く暮らしている。だが、ある夜兵士が飛び込んできてつるしあげられる。
クレオパトラの死去のしらせであった。
オリンポスは回想する。彼女が毒薬をほしいと願ったあの日の出来事を。
主人公はオレンジの光が嫌いだ。夜は電気を消して寝る。
あるひ男が来る。というか拾った。夜電気を消している間だけ、男はポツポツと喋った。
そして警察がやってくる。男は殺人を犯し逃げていたのだ。
男の弁護士と名乗る人物により、主人公は男が聾唖者であることを知る。
男と話はできないのだ、と。目がみえず、喉も潰されている。
そんなはずはない!主人公は思い出す。暗闇で男が言った告白を。真の犯人を。なぜ?波長がうまく合ったのだろうか。
主人公は苦悩する。自分にできることなど無い、と無理に飲み下ししばらく暮らすが…。
日本人客はダメだと愚痴る、途上国の靴みがき屋フンデミーテ。日本人についての愚痴だけで終わるシュール系のエスエス。
ふたりは親友。
ひとり死ぬ。
ひとりが命と引き換えに蘇生させる。
ひとりは人間でひとりはヒトカタ。
「人間は蘇生させることはできないのだ。だが、かれとかのじょの命の炎は、おまえの中でとけあい、生き続けるのだ(長老)」
ヒトカタの最初の炎は人間の彼の恋人だった。不治の病の彼女が願った事だった。自分の命の炎をヒトカタに移すことを。もう女性を愛せなくなった彼は、ヒトカタの性別を男にする。
ヒトカタの彼は長老から全て聞き、そして悟る。
それらを訥々と記す書物。ヒトカタは語る。彼は56代目のマンダダであった。マンダダは命の炎を視ることができる。彼は稀な才能を持っており、命の炎に触ることができた。
彼の作ったヒトカタは、命がない状態でもまるで生きているような美しさだったという。
命を宿した人形が目覚めたときには暗闇。外に出るまでに一年かかった。(作ったにもかかわらず、彼は葛藤していた。愛したあのひとの命が宿っているというのに、まるで別人だ。彼女を返せ、と思う。もう戻らない事はわかっているのに…。落ち着くまで一年近くかかった)
彼が喋ると、時々、薄く伸ばした金属片を歯車が叩くようなピィンピィンという音が鳴った。
二人は次第に友情を深めあう。
そんな中で一番めの炎が尽きようとしていた。ヒトカタに、炎が触れる能力を発見するグェン。なぜ…?