■ フードマン ■
初めて書き込むんだが、おまいらちょっときいてくれ。オカルト板のルールとかわからんから、変になるかも知れんが、これは実際にもれが体験した話なんだ。
名前は伏せるが、もれの通っている大学っちゅうのは変人ばかりで有名なところで、右見ても左見てもオカシイ奴らしかいない。その中で、フードマンってあだ名がついてる男がいたんだ。
わかると思うがいっつもパーカーしか着ないで、しかもそのフードはかぶったままっていう変わり者なんだ。見た目はどこにでもいそうな中肉中背で、左の目の下にホクロと、あとパーカーからチョロっと髪が出てるカンジ。
言っておくが本当に男で、髪はどうやらウィッグ?とかいう奴なりのオシャレらしい。
でも、それが信じられないんだ。あんな事があったから…。
■ ファントムディーヴァ ■
全ての音が艶美にまざり合い最高に響く瞬間ときたら!
――いいだろう、モーリス。君だけは特別だ、 私の見つけた最高の座席を案内するよ。
オノレィ・ジウニー伯は私の緊張をほぐすように何度か頷き、ふくよかな白髭をなでつけながら1階席の中央へと歩を進めた。まるで夢遊病患者のような覚束ない足取りは、長年の夢だったからに違いない。私は老人の、丸く、しかし気品あふれる背中を眺めながら、今日の演目を思った。
オペラ会場として名高いオーロール劇場を伯が買い取ったのは先月の7日。そして、伯たっての希望で「セビリアの理髪師」が今日の夜、ここで高らかと歌われる。
なぜ伯が私を気に入ってくれたのかはわからないが、リハーサル前の誰も居ない劇場。この静謐さ。座席のひとつをとってさえ、古い時代を彷彿とさせる空気の中、通路の階段をコツリコツリとくだっていく。
ここだよと老人が座ったのは、中央より少し左にずれた座席だった。
普通、劇場のパン、音が左右均等に響く場所は中央のはずだ。疑問顔の私に気付いたのか、伯は座りなさいと自分の隣の座席を示した。
「モーリス、君には今日、この席でオペラを聴いてもらいたいのだ」
「はぁ……」
つまり。私は、老人にとってかっこうの小間使い。無理な頼みごともホイホイきいてくれる都合の良い青年、という位置づけなのだろう。
無理もない。
考えてみると、伯の周囲をうろついている同業者――ゴシップネタを探し回るハイエナ――たちは、みな私よりも年上だ。業界に入ってまだ半年、という経歴の浅さも相まって、うっかり捕まってしまったのだ。
と、オノレィ・ジウニー伯は急にひっそりと肩を下げ、私に頭を近づけてきた。つられて私も、席に座ったままかがみ、密談のような格好となった。
「この席に、幽霊が出るのだよ……」
「えっ??」
思わずきき返すと、老人は鋭い声で「しっ!」と人差し指をたてた。辺りを見回し、けれど、劇場の中には人ひとり居ない。
仕方なく私は小声で言った。
「幽霊……ですか? 夜に?」
「言い方が悪かったかね。実は、わしは声に……とても素晴らしい声なのだ、恋してしまったのだよ」
ささやく老人があまりに嬉しそうな顔をするもので、私は昨日の娘を思い出した。娘にもようやく恋が訪れたらしいのだ。
「あのー…、では、その役者と食事でもしたらどうでしょうか?」
私は提案した。いっそそうしてくれたら、記事のネタにもなるだろう。
だが伯は首を振った。
「いないのだよ……モーリス」
「というと?」
「その声の持ち主は、出演者の中にいなかったのだよ」
「……どういう事です?」
事情がのみこめない私に業を煮やしたのか、伯は立ちあがって誰もいない舞台をー…、下がっている緞帳をにらみつけた。
「今夜、この席でオペラを聴くことだ。そうすれば分かる。チケットは既に手配している。断るかい? モーリス君」
答えは決まっていた。
■ フリーダムキュウリの憂鬱〜逆襲の納豆〜 ■
普通のカッパ巻きは、細切りになったキュウが入っているのに、このスーパーでは話題づくりのために、もっぱら輪切りの俺が巻かれている。俺の名前はフリーダム。トゲがないキュウリだ。しかし最近仕事がすぎて、若干憂鬱である。
今日も、おすしコーナーがあるヤマギワ惣菜部の主任・太巻海苔蔵は、おすしコーナをはじからはじまで往復し、ニヤリと笑った。
「うっふふふ……好調好調。フリーダム君、今日も予算達成、頼むよぉ♪」
コーナーの上部には「フリーダムきゅうり! トゲがなくて食べやすい・太巻き販売中!」というパネルがでかでかと飾られている。俺のブロマイド付きだ。
と。となりに陳列されている納豆巻きさんが、チッと舌打ちを鳴らした。
「お前、いい気になるなよ。お前なんて、まだまだスポット商品の域を出てねぇんだからな」
俺が来るまで、売り上げ第一位を記録し続けてきたプライドがゆるさないのだろう。先輩巻き寿司の洗礼というヤツだ。甘んじて受け入れよう。
今日もお寿司コーナーの売り上げ第一となった。
***
そんな中、もろみさん(もろみ味噌)との運命の出会い。同期で入ったマヨサーモンに恋の相談をする。
「マヨサーモン君は、あの、いい人いるのかい?」
「何を言っているんだい? 僕に彼女? もちろんいるとも。あっ、紹介するよ。おーい、マヨネーズさーん」
そう、マヨサーモン君は、元々サーモン。彼の恋人のマヨネーズさんと合体してマヨサーモン巻きになっていたのである。
「おい、ちょっと待ってくれよ。じゃあ、ツナマヨ君もマヨネーズさんと……? 君、二股されてるんじゃないかい?」
「HAHAHA! まさか! そんなことはないよ。ツナマヨ君の恋人のマヨネーズさんは、メーカーが違うんだよ」
「そ……そうだったのか、悪かったね」
「いいんだよ」
マヨサーモンは気軽に流してくれたが、このフリーダムの失言が後々響くこととなる。
***
乗りにのってた(海苔だけに)フリーダムだったが、納豆巻きの策略で傘下にくだった卵巻きとツナマヨ巻きによって、陰湿ないじめに遭う。
パックに入るはずのガリや醤油を隠され、品出し時刻が遅くなってしまったり、パックの蓋をとめるセロハンテープをはがされたり、彼らはわざとフリーダムが陳列されている段の上段に陣取って、一日中続くブーイングと陰口。
相談しようと思っていた、同期で入ったマヨサーモンからも見放され失意のどん底に。
そしてキュウリが乾いてクレームがつく。とうとう、主任の太巻海苔蔵に今月で販売を打ち切ると宣告される。
すっかり気力をなくしたフリーダムをもろみさんがなぐさめてくれた。
想いをおさえきれないフリーダムキュウリ。
***
「もろみさん……もろみさんッ!」
「いやよ! こんな味気ないところでキスなんてしないで」
「もちろんだとも!」
そう言うとフリーダムは作業台を指差した。そこには海苔の部屋がセッティングされている。
「さぁ、お米のベッドへどうぞ、お姫様」
「やだ、ステキ! 一粒一粒が立っていて……ちょうどいい温度で……ふかふかだわ!」
「新米のあきたこまちさ。さぁ!」
***
もろきゅう巻きが完成。
愛の力でふたたび売り上げ第一位を獲得する。
また落としてやる! と息巻く納豆巻きだったが、今まで口出ししてこず静観していた古参のカンピョウ巻きさんに
「お前はお前で、買いに来る子供達に美味しさと楽しさを与えているんだよ。確かにもろきゅうは若い女性に人気があるが、ないものねだりはもうよしなさい。ほら、いつも君を買っていく常連のミキちゃんとタケシ君が来てくれたじゃないか」
と窘められて、反省する。
めでたしめでたし。
■ プリンプリンレボリューション(ゲーム) ■
プリンはプレーンモードかカラメルモードか選べる。プリンが降ってくるので、クリックして食べる。
時々バケツプリン(大きい)が降ってくるので、10連打して食べる。
カラメルゲージが満タンになると、トロッと落ちてくるので、クリックする。プッチンモードに突入。流星群ならぬ流プリン群が。
■ フラメランス ■
違う時間生きていても心はひとつだよ
仙人と親友になった少年も、老人となった。山とともに生き、山とともにあった日々に終わりを告げる。
そういえば昔、君は私に、ともに仙人となろう、と、言ったことがあった。しかし私は君が思うほど心の清い人間ではないし、君は忘れてしまうだろう。私との日々を。それが仙人たる所以。誰とも染まらない心なのだから。
■ ファラオと煙草 ■
あそこの煙草屋は、ファラオっぽい顔をしている女の子がいつも店番をしている。
イケメンが気になっていると、夢に出てきた。
なんと、煙草屋の扉をガコンと開けると地下があり、ピラミッドになっていた。
ただの夢と言い聞かせて女の子の店にまた煙草を買いに行く主人公。
恋……とはまた違う感じ。
■ リンク ■
あ
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え
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か
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く
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こ
さ
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せ
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た
ち
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ひ
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へ
ほ
ま
み
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も
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よ
ら
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る
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ろ
わ
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