■ 茶色の旅立ち ■

 遠い砂の地平線 紅い風に身をまかせ
 祈り捧げる君のそばで 僕は
 まだ見ぬ大地へ 足を踏み入れぬままで
 心 君に言えないよ
 「ずっと愛してるよ」と

 それは 熱い陽の夕暮れ
 君と出逢った運命の日
 クロスする血と血の間
 君の祈りは 息絶えた

 それでも十字架に向かう
 立ち上る煙 ウデをのばし
 それでも“何か”に祈る
 君は美しい 狂う欲望
 今 君を抱きしめたい

 沈む光と黒い闇と 寒い音の鳴る中で
 神を愛した君のそばで 僕は
 空に手をかざし 未知の世界へ旅立とうと
 決めた だからもう行くよ

 帰ってきたら言いたいコトがあるよ
 聞いてくれるかい?

「この旅立ちに 神の祝福あれ」と
 君はささやいた

 遠い砂の地平線 罪はもう消えないけれど
 君が許してくれるのなら 僕は
 この世界を愛そう
 月と共に祈り続けて
 風となって吹きぬける 君を
 神から奪い取る為に