■　どしゃぶりと水鳥　■

　あ　　めはふりおどるよ　ゆきにかわるまえ
　　　きみはどんながけをくだりおちた
　の　　ひろいそうなしに　たえているとりの
　　　なきごえにうたれはじけとんだ

　つぶやくこの　かこにどうじょうなど
　いらないと　いうだけほっしてる
　きみはとりの　はねをおそるおそるに
　ゆきご　　と

　　ま　　た　　た　　い　　た

　　　　て　の　ひ　ら　に
　　　　　て　の　う　ち　に

　　　は　ね　を　な　で
　　　　み　ず　を　と　る

　　こ　と　ば　で　は
　　　　は　れ　も　よ　う

　こ　の　も　り　で
　　し　に　ま

　しょう　なんて　いうと　おもう
　君だけが死ねばいい

　あ　　めはふりおどるよ　ゆきにかわらずに
　　きみはうらぎりをたえしのいだこ
　の　ひろいあげたしに　たえたみずどりの
　　はねをちぎって

　　ま　　た　　た　　い　　た
　　踊る

　よ　かぜはぜろになり　つきははにかくれ
　　ぬれたくちにそうといきをかける
　な　きごえはみみから　はがれおちてゆき
　　のようにどこにもそんざいしな

　いのりのかげ　ひとりきりのそうしき
　さんれつは　すうまんつぶの
　あめはとりの　どこもかしこもさらう
　しんだ　　め

　　ま　　た　　た　　い　　た

　　　　な　い　て　い　る
　　　　　な　が　れ　て　く

　　　お　も　い　で　と
　　　　よ　ぶ　も　の　は

　　こ　と　ば　で　は
　　　　う　つ　く　し　い

　ほ　ん　と　う　は
　　し　ん　で

　ちょう　だいと　だれも　かれも
　君なんか要らないと

　あ　めはふりおどるよ　ゆきにかわるまえ
　　きみはしのうとがけをおちたはず
　が　ひろいあげたとり　そうとどろかぶせ
　　まいそうのあし

　　ま　　た　　た　　い　　た
　　走る

　あ　めはふりおどるよ
　　　ゆきはもういない
　　　　とりすらもいないあのまちへかえ

　る　ざくざくとふるえ
　　　どしゃぶりはつづき
　　　　はねもこころもながれてしまえと

　お　もっているはずが
　　　ゆびのすきまさえ
　　　　とじてだきしめなみだはゆきに

　　消え
　　　　て　　く