■ 21 ■
金色
消失していく遊覧船
青色
不知火はしってる?
肺色
緑に沈んで
木色
枯れた
ざくじつもほんじつもらいじつも昼です
預言書? あぁ 船に置きっぱでした。
金色
消失していく遊覧船
青色
不知火はしってる?
肺色
緑に沈んで
木色
枯れた
ざくじつもほんじつもらいじつも昼です
預言書? あぁ 船に置きっぱでした。
花火がおちる
熱帯夜に足あとを
ウンウンと肯きながら暴走族が窓を振動させる
そうだ
彼らは
焼けつくようなプラスが欲しいんだ
花火が
目の前からおちてゆく
カラハラと鎔けながら頭の上を消炎が通り過ぎる
なにか
夜空は
あそこまで昇ったら冷たい風があって
なにものにも
マイナスされずに
生きてゆくことができそうな気がしてならないんだ
それは散るということ
いつまでも上を見ていると
星が鎔けそうな気がしてならないんだ
ナイル的には
ハーバードで消えた風を予測し
徳用の
ミルクを買いだめすることに熱中するとしよう
パーの
0パーの
成分分析率がひっくりがえったら
一枚残った葉っぱじゃ
命は救えないと解るだろう
おととい
CMでやっていたジャッカルの葬式で
泣いていた女が
急に
泣いていた女が
この世の秩序に見えた
真夜中に目が覚めるふうに
くさびらの傷さえとけてしまった
まだ
こんなになったあなたをも
あいせるといいきかせて
あなたのマッチをコートから取り出し、死を盗んだのは私でした。
「 どうしてこんなことに…… 」
あなたはライターを持っていたのです。
焼死体の前で愛をささやけるなら、
顔がなくても誰でも、まさかあなたでなくとも。
タヒチから遠く離れて
私はこの街へ着た
空は青く
一筋の飛行機雲を残す
私は生きている
勘だって捨てたもんじゃない
私には
貴腐の芳香はまだ似合わないから
まにあわせに
貴女の玄関のインターフォンを押しつけた
私は生きている
だって捨てたもんじゃない
やたらと
綺麗に染まった腐りかたが
そんなに
憎たらしく感じたとしても
綺麗に染まった陽は
だれにも
そしらぬ顔をする術を知っている
DVDに映っていた
あの雲は
偽物のセル画
イドを抱いて眠れない夜に
絶やさなかった森に
ひとつ
降ったのは
踊ったのは
心の不協和音が奏でた
あの雪と
踊ろう あぁ踊ろう
タイヤの痕をなぞって
キュルリと注ぐリキュール
ひとつ
注文してショット
刃物を滑らせて
ここだけ
縦に切って
懺悔して
今夜だけは 研究に足るような月だから
ゆびを
明け色にからめて
後悔して
そんなになっても許されると 信じて
切った髪を
夜空に放り投げると美しいという迷信がありました
さんざん
言ったのに
月がのぼったから また今度
なぜ?
いのり 羽ばたく秘め事
ふき入れる
はるは 君を切るんだね
__親愛なるジョー・メテルニッヒ
なおこの手紙は__45秒後に飛ぶ
そこには地球壜がある
赤々と熱せられた硝子は穴のあいた鉄の棒にカラメトラレ
息を慎重に押しこめると回りながら咲きはじめる
直径は
手のひらを一杯に開いて きみ
左親指と左薬指と右薬指と右親指をつなげたくらいの円
ナイフで切れ目をキィヒ引き
カンと叩けば地球の
そうだな……約ジュウブンノイチは炉に消える
「これ」
「えっ?」
「これ、私が吹いたビンだ」
「飛ぶの?」
「えっ?」
「便箋は飛ぶの?」
はるは 羽ばたく風ごと
なぜ?
は知ってしまわないのだ 飛ぶなんて
さあ
クブンノジュウくらいの地球に
のっておいでよ
__パタ__パラ_パラ__パタパタパ
あ
待って下さい 切ります
春 要らないです 地球も
「これ」
「え?」
「スペアあるし」
横に割らなきゃ良かった
私があなたを忘れたくて
横に倒したの。
縦につぶせば良かった
でも切りたくはないの