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したるふたり昨日見た夢のつづきしたる雨粒
ある日は鳥の声で影をうたい濡れた羽根ひろげ
しろにはべる千年虫きんいろの目賢者の肩
あの日に枯れた王の歳月を読みとき
いつか地図の果てに落とすだろう
し いろい 満月
触れた ら せんをえがく弧
途切れた口の笑いに薬指をはめて
ふたりはまだしたる石碑に 寄り添いねむる
したるふたり昨日見た夢のつづきしたる雨粒
ある日は鳥の声で影をうたい濡れた羽根ひろげ
しろにはべる千年虫きんいろの目賢者の肩
あの日に枯れた王の歳月を読みとき
いつか地図の果てに落とすだろう
し いろい 満月
触れた ら せんをえがく弧
途切れた口の笑いに薬指をはめて
ふたりはまだしたる石碑に 寄り添いねむる
この 手
走るよう 縋るよう
けむ
巻かれよう 惹かれよう
空
青く戸惑った
ひとすじの
顔に眠るひつぎ黒く世界まわり上は深く
の 目
閉じるよう 交わすよう
みお
凍るよう 巡るよう
影
赤く戸惑った
かわりゆく
千の
王様の水を取ります
あ ぁ
語りつくす色の数だけ花を添え涙して傷をとじて頬をなぞってなにもかも亡くしている絡みつかれ街の朝を何度迎え首をたれて追悼から崩れておちてしまったときの
こ え
石に囲まれ横たわるその姿だけをさがして急に不安動かないという事実をみとめないの死者の書簡内臓をわけへだてなく転がしている天秤の十字架のまえの宴を待つ
ある明るい午後。僕はちいさなブランケットをかけ 中庭で本を読んでいた。千年続く城は古くさびれていたけれど 本しかみていないから そんな事は気にもかけなかった。ふと気がつくとテーブルに乗せていた紅茶に はなびらがうかんでいた。僕は下を見る 見やる すると 僕の膝もとカラハラハラと はなびらガラハラハとブランケットは枯れ 中庭には 雪が降っていたというのに 白いものがおおってどうしようもなかった。
ひとしきり目をあけたあと 泣いたフリをした。悩ましいことに僕にはおあつらえむきの病気があった。
「王様、どうなされました、」
「痛い……」
「王様、王様!」
「あぁ、遺体のだ。足の、親指が……」
千年のあいだに 遺体は王子様ではなくなっていた。しかも偽物の御姫様は 本物の魔女にはなれなかったし 偽物のお菓子は 本物の蛇になれるはずもなかった。
僕は孤独な義指としてつけていた足の親指をはずし ブランケットに包み 花弁をのせ 雪をかぶせた。埋葬しきった膝元は もうもう寒く これから暖かくなる季節の鳥ももはや 僕の背中で動かなくなっていた。
切ないなんて言葉を知らなかったあの頃
ベルモンテの裏側で男に抱かれていたキミにひっそりと唄を送った。
そのうち、ちぎれたインクの付いた紙が
風と共に戻ってきたとき
僕は痛風にかかってしまった、もう動けない。
僕はそのまま地上でいちばん強い千年王になった。
それでも キミは もう 還っては来なかった。
アイアンディティーはとてもか弱い女の子だった。
僕は彼女のために千年王になろうと決めたのだった。
アイアンディティーはとてもか弱い女の子だった。
戦争で死んだ。
僕は彼女のために千年王になったら戦争をやめさせようと決めたのだった。
アイアンディティーはとてもか弱い女の子だった。
自殺した。
彼女のようには一生なれないと思った。
僕は誰にも僕を殺させずに一生を生きようと決めたのだった。
どのアイアンディティーもとてもか弱い女の子だった。
今思い出した。
喪失は痛風のいたみに似て
千年王という職はこうも苦しいものなのかと思った。
どうしようもない情動。
僕は僕の中から壊れていくことをもう止められないと諦め思い出に沈んでいく。
「残酷な夢でした」
「具体的には?」
「いえ……もう、語ることのできない不明瞭な――虹に限りなく近い色彩を捨てた――霧のかたまりでしかありません」
君の選択がそうさせたのだ
どれを選んでも終わりよければ全て良し、とは、
結果論に期待しすぎではないか数学でさえ、答えが
見つからない神題があるというのに、
そうか
そうやって
いつも夢を無理やり終わらせるのだね、たいした残酷さだね
「沈黙いたします。黙秘ではありませんし黙祷でもありません。沈黙します」
戻ってくるまで
半分の白い月が迫ってくるある青い午後。
彼は自転車で土手を走っていた。黒い猫をかごに乗せて。
細く高いビルの狭間は鉛筆のように切り取られ。
絵画。
横切っていく。
雨になるたび首を絞めた。
手についた感触がどこまでも離れない。
まるで永遠のように。
「なんて残酷な夢だったのでしょうか。本当は、全部、覚えているのです。そうして僕は、あのひとの言いつけ通り、ここでずうっと待ちましょう。僕は、あのひとの言葉を。どれだけ間違っていても信じると決めたのですから」
明日を
選択をせまられる。賢いか、賢くないか、終わりがいいものであるか、
ないか、そんなものは関係ない。
「関係なかったのです」
いまは、まだ、このまま 沈黙しつづける。
その水の
足は
単独飛行に向いている
ついさっき左腕が戻って
かきむしった肌の奥
は
血肉色に染まっている
で
千年王が眠っている
痛む足をひきずった
その氷の
足は
単独飛行に成功する
ひかげにジクル五感の沢にて
フハイの黒に王国を見る
みめ有るわしきヴォルゴ
をを、交わりし永久
|
いづるキバンを円とSI
ここにたらしめるは秘呪の両尾
えいこうをMeシ 力は秩序なり
いざ幽糸より 来たれ光よ
十
コンゼンの勝利
ウンメイは方力
解体するフラスコ その美をROにかざし
双頭思惑はネ果クる 調和に
○ 真意 愚者のダフト インぺいの城
双皿理想をシ野食む 反転は
四言を律し 変化をおそれるな
シビ深くもえる
塔の玉座にたむける歌は
十
交わりSIMeの星は海月たたえ
母なる月は 太陽の歩を見る
相対す知恵に波紋をかけし
男の目の奥を再生す
レ
主よ 此処の
つらぬかれし色は呪いを解きタリ
真名はヒトリか
をを、廻りしひいろ
石櫃の中に水が満ちていた
胸から上に達したとき 開くはずの扉が開かなくなった
千年王になった夜
ネフェルタリはずうと僕の隣に居ると言ったのに
なぜ
いま
足が痛むのだろう
苦しい
動きたくない
早くこの世から立ち去りたい
きみのなみだでとぶ、このにじをかけるように、 ね、
そらのうえのほしは、あのひ、 の、 よ、 う、
キ、 ラ、 リ、
ィ、
キ、 ラ、 リ、 リ、 ィ、
ほ、 し、 のよう、くもの、 よ、う、に、
てをひろげてみよう、まどとびらひらくように、 ね、
ゆめのおくのむねは、ひたり、 ゆ、 れ、 る、
きすをしてみたいと、だだをこねたあのひみた、 い、
はなのうえのいろは、すこし、 そ、 ま、 り、
キ、 ラ、 イ、
ィ、
キ、 ラ、 イ、 ナ、 ノ、
き 、み、 のこと、きみの、 こ、と、が、
きみのなみだでとぶ、あのにじをかけるように、 ね、
うるむことばのせに、あしが、 い、 た、 み、
ぼ、 く、 は、 な、 く、