■ 又、双人ハ ■
■ 31 ■
■ 32 ■
波がゆれていた。
ぼくの目がみつけた。
ゆっくりと沈んでいくんだ、彼女が、その手をうやうやしく掲げた午後、笑っていたということにぼくはやっと気付いたばかりだったのに。
ぼくが揺れていた。
なみの月をみつけた。
抱きしめられたと気付いた時に、なにをつぶやいていたか、どうして、自分の声がきこえない……。
■ 33 ■
■ 34 ■
あたしあしたあなたとしたい
不思議な心を共有したい
あたしとあなたはあしたのしたい
来世は一緒にバカンスね
■ 35 ■
あの人から封書でKissをいただいた春
薄唇の花弁はらり落ちた喫茶店
こうしちゃいられないわ冷めたモカを置き去りに
ah...お代はこれでいいかしら
どこかしこも赤い提灯ビアガーデン
ヒール
鳴らして みても
ネオンと おどる
あなたは いない
口解けのダルい砂糖菓子のように
風散る桜にデコレーションして
ah...知らぬ間に河は七色を
映していく
今宵の私の恋ね .La La.
晴れやかに澄みわたり水撒き汗したって ah...
あの人から葉書が届いた夏
ひと目だけでも小さなささやきだけでも
望み想うことを許してよ
コンクリートのビルの隙間ぬうように
ヒール
鳴らして みても
わらって 梳かす
あなたは いない
わたしは みらい
みえない ヒトリ
口解けのダルい砂糖菓子のように
溶け散る恋情を笑い飛ばしah...
知らぬ間に頬を伝っていくのは
なぜだか
甘くはない思い出
知らぬ間にくずれ去っていくの
ah...
本当は
知っているのに .La La.
■ 36 ■
ふっくらしていて甘いもの
ぷかぷか浮かんで雲のうえ
たっぷり 息を吸いこんで
ねえ!
大好き!
って 言ってみる
ふるふる動いておさえられない
ぶわっとあふれる この気持ち
きみは
笑顔で
世界でいちばん甘い笑顔で
なんて返してくれるのかな
■ 37 ■
僕が寝ている間に 君は泣く
ゆるりと
念仏を垂れ流しながら
夢で 神は死んだ
めがさめるころにだけ
君はそこから去る
■ 38 ■
■ 39 ■
二人で幸せ続いても
一抜けされると辛いから
できれば
私より後に死んでほしい
■ 40 ■
3番は
作ってラップしておいた料理を 食べてくれなかったこと
2番は
帰ってきたときに 抱きしめてキスをしてくれなかったこと
1番は
1番残念だったのは
ほかに好きな人ができた って
別れてくれ って
土下座して頼まれたこと
ううん
本当に残念だったのは
浮気してたんだって思った瞬間
いつも心を温めてくれた あなたへの愛情がス―っと
消えていったことだったよ
暗い部屋でひとり
泣けなくなってしまったことだよ
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