■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 51 ■ カナリア ■

 大切なものから壊され 絶望の底は深く
 どれだけ上を見ていても 光は
 届くハズもなく
 
 どぉなってもイイと 自分を傷つけていた
 他人の真っ直ぐな瞳……見れなくて
 怖くて息も できなかった僕の手を
 そっと包んでくれたよね
 
 カナリアが 空へ飛び立つ
 胸の奥から消えてしまった
 ただ 霧の晴れない
 夢の中から叫んでいるだけ
 
 笑顔で楽しそうに見える 本当は全部嘘で
 うわべの自分を「好き」だと そんな事
 言えるハズもなく
 
 消えてしまいたい 悲しむ友人なんて
 この世に何人居るの? ……居ないかな
 怖くて誰も 信じれない僕の頬
 そっと触れてくれたよね
 
 カナリアが 空へ飛び立つ
 胸の奥から消えてしまった
 ただ 霧の晴れない
 夢の中から叫んでいるだけで
 
 空へ飛び立つ
 君の影さえつかめなかった
 
 あぁ 二度と逢えない
 君のためでも涙……流れないよ
 
 ただ 霧の晴れない
 夢の中から叫んでいるだけ


■ 52 ■

 お母さんのひざまくら
 ガラス越しの午後の陽射し

 お父さんの呼び声
 電話越しの心の色

 一人暮らしの部屋は寂しい
 でも
 大切なものを胸に抱いて
 今日も大丈夫

 生きていける


■ 53 ■

 魅惑の朱い花びら 惑星の真理

 音の繋がりに戸惑いながらも
 言葉の美しさに惑わされ
 瞳を閉じ 風にゆれる


 いつまでも

 儚くはいられないけれど。


■ 54 ■

 人は何の為に生まれてきたのだろうか。
 俺は何の為にココにいるのだろうか。

 お前のように 何も考えずに
 生きる為だけに この世に居られればイイのに。

 それとも何?

 俺にも何か意味があると?
 生きているコトに意味があると?

 いつからそんな口をきく様になった。
 俺のギモンに答えられるのは俺だけだ。
 口出しするな。

 どんなに 悩んで 逃げて 絶望して

 この迷路に迷い込んでしまったか。
 俺のキモチがお前に分かるか?

 だから必ず、
 「答え」を見つけ出してみせるから。
 待ってろよ。


■ 55 ■

 シンデレラは無事結婚しました
 白雪姫も結婚しました
 赤ずきんちゃんは助けてもらって
 3匹の子豚は助かった

 都合よく
 現れる
 変幻自在のストーリーテラー
 さあ
 書いて
 紡いで紡いで素敵な話を

 強欲じじいは宝を掴めず
 泥の船は海沈み
 栗で火傷し蜂には刺され
 臼が落ちてきてペシャリンコ

 都合よく
 正義が勝つ
 変幻自在のストーリーテラー
 さあ
 書いて
 お好きなように
 因果応報の素敵な話を

 さあ
 書いて
 お好きなように
 君に都合のいい物語を


■ 56 ■

ハクダ おそろしい夢に
モヤイをくくっておきなさい

シロヒの四季 i を背にすれば
どうにかこうにかなるでしょう

やらいでおかなば記される
遠き十五の水脈(みお)を寄せ
モッコの啼く山きたにして
ジュウジ ジュウジとつきましょう

カナエな庭の
うつろな船に
蜘蛛を放しておやりなさい

イロマの香魚(あゆ)も
せせいたガレも
そのうちしずかになるでしょう


■ 57 ■

 許容の範囲を超えないならね
 笑って

  「いいよ」

 言って
 許容の範囲を超えないならね


■ 58 ■

 一緒に、笑おう。

 真っ直ぐ、かわいく、ひまわりのように。

 つないだ手、暖かくて
 きらきら七色に光って
 そのとき、
 大切な人なんだって、思ったよ。

 だって、心友だもん。
 私と友達になってくれて、ありがとう。


■ 59 ■

 真っ赤な傷は癒え
 かさぶたを経て古傷となる

 戦争を経験した戦士たちの記憶には

 それでも
 あの刹那の緊張が
 鮮やかに残っている

 背中の勲章が
 癒える時はもうない


■ 60 ■

 元気と弱気のちょうど あいだ
 笑顔と泣き顔のちょうど あいだ

 ぴゅう
 ぴゅう

 口笛をふきながら

 平気だって顔して歩く秋風

 ちょっとの あいだ
 空を見上げて思う事

 うん

 何でもない 平気



--Presentation by ko-ka--