■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 211 ■

 ショパンを弾いた

 グランドピアノの
 弦を

 パチンと弾いた


 黒髪の男が
 野次を飛ばしている

 コンクールの
 審査員は
 煙草で


  椅子が限りなく長かった


 できれば


 散り散りにして
 コカ・コーラと一緒に飲みたかった


■ 212 ■



■ 213 ■

 そわそわと笑って見せた
 粉の薬が ほらほらと言いたげに落ちた

 君らの視線が気になる
 君らって 哺乳類のことさ 笑ってる
 電車の男
 電車の女
 道行くサンタ
 十二月
 たまに 犬が立ち止まったりして
 飼い主ともども見て

 気持ち悪いな 東京は

 ジャムのような視線にまとわれて
 お珈琲をお飲みにおなろうじゃないか
 どうしようもない社交辞令

 お美しいですわね

 見やる
 あの人形に届く視線は
 果たして
 東京の空気の中ではジャムになる


 召し上がられたくないので
 視線はそらす


■ 214 ■

 汚された半分の空気壜で
 美醜に酔う美酒の真似をしている

 醤油はしたたり

 君の手の中
 この世のものではない美しさを
 ミリ単位でかざされた

 せせら笑って
 「少年よ」
 と
 言おう


 「太子の納豆には薄口醤油が合うね」

 と


■ 215 ■



■ 216 ■



■ 217 ■

 3×6=18(青から)
 9×7=63(アルカリ性)

 銀河の上からひとりぼっち
 架空机上のおにごっこ

 マスメ を 指にあてつける
 カケル は 赤から

 紙の切れ味(賛成)
 落ちた28的空論存在(アルカリ性)


■ 218 ■

 おかたく茶に染まった鳥が
 冬の
 おそらくは声を

 なんとはなしに放った貸しが
 ブーメラン状の何かに
 変化
 いや 変態してゆこうと

 ヘラクレスは言う 背中が
 痒い
 特に肩甲骨のあたりそう そこ

 そこ

 とは

 なめした鼠に染まった川
 のような列
 のような小学生が通っているのは

 そうなのですか
 おお
 冬の

 痛がった凍リが
 融けて流れる 声 が

 あつかましくも

 夢に刻む色   は


■ 219 ■

 いよいよもって

 契約書にサインを
 した

 やんでいるとき
 共に入るのは 正直 無理だ

 そういう意味ぢゃあ ないんだよ


 だからそうやって切った暁には

 このペンは虹むよ
 満を持して


 絶待的に落ちるよ


■ 220 ■

 マイル.

 なぜだか
 みな、飛び

 君は歩け
 ばいい
 と、

 砂漠でもないのに
 足を
 さ
 ら


 砂ではないため
 ゆび、は斜め

 にかたむく


 太陽は
 かため、で

 見る

 君が見えな
 いため
 に、


 マイム.

 まねをする、
 みな、**ついらくしつくして

 君は走れ
 汚い
 と、

 ひとりでもないのに


 かげ、は斜め

 にかたむ、く




--Presentation by ko-ka--