■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 131 ■

 歌い
 雪は 涙のひとひらを
 風合わせて 優しく降らすけれど
 白い
 雪は 手のひらの罪さえ
 篩い堕とし 優しく揺らすけれど


 上を見上げてごらん?

 とめどなく「キレェ」が

 聞こえてくる



 奏でつたう 欲望のレティアナ
 首を振って−否定報せ−カタカタ−マワル
 明日の土が 最期を凍らせる
 踏込ませて−君の答え−カタカタ−クルウ

 数え
 雪は 苦しい足首も
 払いおさえ 優しく冷やすけれど


 上を見上げてごらん?

 素晴らしい「キレェ」が

 聞こえてくる



 色も消えう 眼光のレティアナ
 ゆび転がし−否定報せ−ケタケタ−マワル
 何も言わず 深く降り積もった
 踏込ませて−君と二人−ケタケタ−クルウ


 偶像が再び叫ぶとき
 この雪は全て融けるだろう

 その時君の腐り果てた肉
 僕がナイフほら切り出し

 雪解けと味わうだろう


■ 132 ■

 旋律かなで た
 演劇のよう に

 嘘でもいいか ら 僕の目を見て


 十字架かかげ て
 空を見上げて る

 悲しそうなき み 黄昏ている


 さあ手を取りあ う
 きらめきのリレ フ

 雪のうえでほ ら 笑顔見せてよ


 そして
 素晴らしいこえ で
 ころされておく れ

 恐怖が消えないならさぁそのステップ 踏み こんで



 旋律かなで た
 演劇のよう に

 嘘でもいいか ら 僕の目を見て


 そして
 なぜ愛情に は
 裏の手が蔭 る

 冗句が言えないならそうこのステップ 踏み こんで


■ 133 ■

 同じ形は 二度とないけど
 限り なく 近くに
 触れていたいよ

 悲しいくらい あなたから
 涙が あふれ止らない


 ひとつの願いも

 今は もう 叶わない


 降れ ゆく月は 雲の波間へと
 あの 素晴らしい雪の谷間へと


■ 134 ■

 ぼくと微分、決定稿。

 アンデスの、偏り。

 天然過ぎて、かしこい。

 ララと歌った、ぞぞろ目。

 たちまちに、紅。

 牡丹と山茶花の、違い。

 コロコロと、人面鳥。

 救われた、雪。

 素晴らしい、ラフランス。

 積分、きみを廃棄。


■ 135 ■

 消えない 足を
 消せない 場所を

 さまよい続けて 飛び立つの 、

 かなしい 雨を
 かなぐり 捨てたら


 きみは何時までも

 きみは
  何時までも


 消えない 静か
 消せない 何かを


 きみは何時までも
   何時までも 子供のように


 かなしい 雪を
 かなぐり 捨てたら


 きみは何時までも
   何時までも


 さまよい続けて 飛び立てない 、


■ 136 ■

 お前



 雪なんて知らないんだろ?




 死ねばいいのに


 氷と
 勘違いしたまま死ねばいいのに


■ 137 ■

 死の光景が 身を焦がす
 吐き気のする 血の痕は長く
 手のひらで 震えている

 あの素晴らしい 雪の夜に
 鼓動がする 死にそうな


 唇あけ さまよう
 あともう少し生きてれば
 そばに 逝けるかな


 手のひらに 残っている


 それなら早く 殺せばいい
 その亡霊は 幻覚に変わり
 足首に 糸をたらすのに

 それなら早く 殺せばいい
 鼓動がする 血の痕は長く


 笑顔だけ 向けてる
 あともう少し生きてれば
 そばに 逝けるかな



 だからせめて もういくつも
 生きてはいないから
 その背中に 泣きそうな気がした

 腕の傷は もう明日も
 残っているだろう
 上を見れば
 雪が降って いる

 もう明日も


 雪が降って いる


■ 138 ■

 あらかじめ10の人間が
 黒い湿原に咲いている

 さあログ 数えて

 この世の100の人間が
 黒い湿原に咲いている

 さあログ 足して

 罪深い1000の人間が
 黒い湿原に咲いている

 さあログ 戻れない

 10000の人間
 100000の人間
 1000000の人間
 10000000の人間
 100000000の人間

 1000000000
 10000000000
 100000000000


 10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000


 君の比率は ゼロに近い


■ 139 ■

 ファルファッレが
 茹であがったとたん羽ばたいたので
 同居人にきくと
 「よくある、気にすることはない」
 と
 言われました

 ファッサリと積もった雪の上に
 両手で
 すくった黄色い蝶を放してやります
 地球からの電報が届いたらしく
 「おいしいってさ」
 と
 同居人に言われました

 うちの同居人は
 なんかちょっと変です


■ 140 ■

 散る落ちる 朽ちる降る冷える 手 青い手
 知る
 陰る映える 融ける降る冷える 鳥 青い鳥

 冷たかった胸が映る
  記憶冷える 融ける降る冷える記憶

 繋がるずるいまぼろし
 舞い落ちる花びら気付かない雪 散る

 落ちる 朽ちる降る冷える 目 閉じた目
 在る苦しみが頬を伝って
 消えて消えてどうしようもなくて

 暗雲から潔癖な白が降る
 冷たい体矛盾する日射し

 夢が覚めたと知っている

 散る落ちる 朽ちる降る冷える 手 青い手
 知る
 陰る映える 融ける降る冷える 鳥 青い鳥
 知る
 愛せるようになりたかった
 無理な話だった
 落ちる 朽ちる降る冷える 手 冷える 胸

 記憶を融かして




--Presentation by ko-ka--