■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 131 ■

 雪やトントン
 霰やカンカン

 雹やゴンゴン
 水やストスト

 霞やハムハム
 露やシロシロ

 氷やキムキム
 永やスイスイ


 雨やヨンヨン


 死はサンサン


■ 132 ■

 寒い。
 寒い寒い。
 寒い寒いカムイ。


 ピリカ。ピリカ。タンドシリピリカ。


 さむい。さむい。
 寒い寒い。
 神威。


■ 133 ■

 北海道に行った6月

 雪が無くてがっかりした


 沖縄に行った2月

 雪が無くてがっかりした


 山形に行った4月

 雪が無くてがっかりした



 だからアラスカに行った8月


 コオリだけでがっかりした


■ 134 ■

「死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい」



 「そんなに言うなら死ねばいいじゃん」


 「だめ……死ねない
  だって雪、降ってないでしょ」


 「和紙で良かったら、作ってあげるよ」
 「そういうのを日本語で   偽善っていうのよ、アダム」


■ 135 ■

 この題名を使って
 あなたは
 拍手をしようとする


 わたしは
 その本棚を使って
 駅に
 ワセリンをすりこみ
 キザの向こうへ
 飛ぼうとする


 瞬間


 あなたは


 胸の上の手をはなして


 わたしにこう言った



 ともあれ
 まだまだCDのスピイドは
 イーゼルの隅で
 ぐずぐずと
 枯れ果てゆくのでありましょうし


 雲の上は
 雪で覆われているのでしょう


 千本の針が
 鉄格子の別荘で
 ワルツを踊るとき


 海の向こうでは
 サンタクロースが
 髭をそっているのですから


■ 136 ■

 あの雪喰えば
  救われるだろう


 カタルシ吸えば
  救われるだろう



 掛け値の黒い羊天下のさゆに
 書かれた白い羊サラケダス?
 電波の届く知らせ飛び出せば、キマァはだけだして木霊する


 遠く 響く 謎の 家は
 広く 暗く 臭い だした
 君は 詩集を ひらいて 自慰しはじめた


 軽く 擦る 缶と 瓶と
 僅か 零の 壁の むこう
 僕は 明日を 閉じては 眠ってゆく



 炎を押し込めた街 気づかないふりしてた


 あの屋根のきしね で見上けて?




 コードの黒い羊地上の囹圄
 ケタケタ白い羊皿に盛る?
 電子の手紙破り飛び出せば、キマァはだしの足こねまわす


 あの素晴らしい 白はなんという罪だろう
 煉獄ばかりじゃ ママに嫌われる



 早く 息を 晒し 細め
 静か 聖歌 罹り うたう
 彼は 着物を ずらして 誘っているよ


 朝が 花が 憂う 外で
 耳を 鼻を 口を つかい
 僕は 昨日を 閉じては 笑っている



 世界が消滅しかけ 気づいても遅すぎて


 あの部屋のはじで 手をあげて?



 オカシイ黒い羊海底の檻
 まぐわう白い羊サラケダス?
 電線タイツ脱いで飛び出せば、キマァはるは嘘で刺さりつく


 あの素晴らしい 白はなんという罰だろう
 天国ばかりじゃ パパに嫌われる



 あの雪喰えば
  救われるだろう


 カタルシ吸えば
  救われるだろう



 からくり黒い羊心臓がない
 だだれた白い羊涙する?
 電気の痛み契り飛び出せば、キマァはれた廃墟くずれゆく


 アテナの黒い羊悦びの精
 ハナッタ白い羊サラケダス?
 電脳きざむ博士飛び出せば、キマァはくと息が染め上げる


 あの素晴らしい 白はなんという罪だろう
 日常ばかりじゃ カミに嫌われる


■ 137 ■

 捨てたわけじゃない
 選んだんだ

 死から

 あなたが僕を救い出せると確信していたように
 僕もあなたをきっと救えると
 そう思っていた

 ロマノフ家が崩れ落ちた翌日
 しんと
 雪が降っていたような幻覚が

 捨て切れていない
 選びきってしまったけれど
 捨てたわけじゃない

 くらくしろく となりに立っている

 攻め立てはしないけれど
 死から
 赤い糸が小指へ繋がっている もう
 傷ついたり
 悩んだり
 かきむしるほどの愛しさ
 焦ってはやくなる鼓動
 叫び
 泣き
 懇願する生なんて
 僕はきっとどうでもよくなる
 あなたが救ってくれなかったから
 僕が選択し終わった瞬間から


 雪が降っているような気がする

 きっと   どうでもよくなる


■ 138 ■

 敗北の舌
 廃木の下


 永遠の死なのだと信じて



 雪が


 下から上へと
         のぼってゆく 血がめぐる



 足を吊った


 廃木の下
 廃屋の死体

 永眠の日なのだと信じて



 紙が


 上から下へと
          おちてゆく 手が求む



 通告書が 染まった


■ 139 ■

 あ
 そう 彼方の手に

 ス
 ノウ 此処から出て

 そ
 そう した子供

 カ
 ノウ にした大人

 あ
 のう 疑問なんですが

 シ
 のう と思ってるんですが

 あ
 そう 君の所に

 ス
 ノウ は居なかったワケね


■ 140 ■

 待ち続けるのに疲れたので
 冷凍庫の霜を
 雪に見立てて空に放ってみました



 涙が止まりませんでした




--Presentation by ko-ka--