■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 161 ■

 ボクと一緒に
 長い話をしませんか?

 昔々の文明の
 雲の上にあった都市や
 今はもう無い
 海の底に沈んだ都市の

 どうでもイイ話
 でも 限りなく長い話を

 そうだなもし
 長い話をしたとして
 時間をきめよう
 最低10時間
 最高でボクが死ぬまで

 例えばナイル
 スフィンクスの謎謎と
 例えばインカ
 オーパーツの不思議や

 場所は中国
 シルクロードの象の話
 場所は南極
 旅してる北極グマの話

 長い話をしようよ

 未来の話は
 2秒で終わるから過去の
 長い長い
 長い長い長い長い長い長い……

 君の話を聞きたい


■ 162 ■

 Aボタン 光る

 B釦 轢かれる

 C牡丹 腐る

 Dボタン 燈る

 Eトタン 登る

 F紫檀 削れる

 Gコタン 昇る

  ・

  ・

  ・

 Z千年王 眠る


■ 163 ■

 あぁ
 君は
 僕の
 この
 左手首を見てもまだ

 好き
 だと
 言う
 のか
 い? おかしいよ?


 あぁ
 君は
 僕の
 この
 独白の王座をまねて

 僕を
 せん
 ねん
 おう
 だと言いはっている


 あぁ
 君は
 もう
 僕の
 理解を超えていくね

 親指
 魔法
 痛風
 千年
 もう
 死んだと言うのかい


 僕> おかしいよ?


 君< おかしいよ?


 理性
 理念
 理解
 埋葬
 千年
 もう
 死んだと笑ってるね


 それ
 って
 僕が
 好き
 だと
 言う
 のか
 い?
 ねぇ、おかしいよ?


■ 164 ■

 美しく
 死にたかった 今は叶わない

 静かに
 死にたかった 今は叶わない

 死神に
 恋したかった 愛してしまった

 妻を
 愛したかった 恋してしまった

 千年は
 早すぎたのだ 目が覚めた

 千年は
 早すぎたのだ 目を閉じる


■ 165 ■

 淡く 踊る 千年の国 ひどく廻る 絹のたわみ
 影に 沈む 王宮の水 変り果てた 翡翠叫ぶ
 広場の龍笑い声続いた毎日 朴林から金色の赤子が産まれる
 始皇帝の輪廻を信じた月読み 万里の石崩して祝う農民を


   殺してしまった


  あふれでる 狂気の 黒い ことよ おぉ
 どめどない 狂喜に 王が ねむ る 世
  二度までも 凶器の 赤い やじり に

 濡れつたう 夾妃の
 濡れそぼる 涙が

 頬染め 明るい 鳥給う 夢の 奥 の ように

 淡く 踊る 千年の国 ひどく廻る 絹のように
 影に 沈む 王宮の水 変り果てた 翡翠叫ぶ


  あふれでる 狂気の 黒い ことよ おぉ
 どめどない 狂喜に 王が ねむ る
  二度までも 凶器の 赤い やじり
 濡れつたう 夾妃の
       死
     に
 嗚呼    嗚呼 嗚呼亜 亞 嗚呼
    嗚呼 
 阿 蛙唖 嗚呼


■ 166 ■

 ピンクのリボンを捨てたければ
 その獅子と
 対決し

 美しい娘を娶りたければ
 その花と
 対話し

 いつだってそうしてきた
 けれど通風だけは違った


 対話しても

 痛み   は


 王位についたあとの少しだけの
 違和感だった


■ 167 ■

 正常!
 正常!


 叫ぶように鳴り響くベルの音から
 明日が溶け出して

 目の前を塗りつぶす


 正しい道は閉ざされた
 しかし千年を過ぎたら歩かなくてももう良いのだ

 明日を嘘絶しようと
 絵の具を塗りつぶす


■ 168 ■

 永遠に歌う神の声
 我らの命と この
 刻をきざむのはそう

 天から舞い降りる太陽の光と
 凍える様な白い風
   ――神の声は高らかに
 カラダを突き抜ける
 熱い慟哭

 我らがドコへ行けばイイのかなど
   ――道無き道進む
 神は知らずに旋律響かせ
   ――青く青く我沈む
 そして助けを借りず脈を打つ鼓動
   ――そして我は悟るよ

 地に足をつけて 息を吸い
 空を見上げて生きる
   ――この大地に根をはり生きよう

 たとえ暗黒の時代が来ようとも
 相変わらず 風吹き 陽は差し 澄みわたり
   ――死を呼ぶ御声と愚かなココロよ
 紅く飛び散る 血色 美しく
 甘く香るこの突き刺す剣の
   ――月の真夜中に彩る
 ゆらぐ様を見上げながら死ぬ
   ――死を呼ぶ

 我らの元離れて逝くは神の
 御元祝福するべき彼の
 静かな眠り

 祈ろう
   ――歌声
 光よ
   ――来世に
 叫べと
   ――神よ!


■ 169 ■

 二度泣いて 千度目がもうこないように

 おそろしくて
 美しい
 神々の行進を語ることができたのは
 あなただけでした

 徳や 優しさや笑顔さえ
 詐欺だと愚者が叫んでも
 あなたは言い訳をせずに神の言葉を語るのです


■ 170 ■

 この雪の形
 知っている

 三年前

 人を
 殺して
 泣いて
 いた
 私に

 キスしてくれたあなたの ユキ

 思わず殴ってしまったけれど


 好きよ


 同じ雪なんて
 同じあなたなんて

 二度と

 会えないけれど




--Presentation by ko-ka--