■ mai zd uru utu si zd uka ■


■ 141 ■

 アメジストの宝石箱に
 綺麗な記憶をたくさん詰めました

 七色に光るたくさんの雨
 不可能だった奇跡にキャラメルをかけて
 トロンと落ちたあの水滴

 秘密の嫉妬
 繊細な殺意

 手に入らない 彼女の笑顔まで


 それから一等綺麗なフォルムで

 三角の椅子から飛ぶ

 宝石箱は
 イーゼルの足下に置いたまま


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■ 143 ■

 鏡に向かって
 毎日
 毎日
「おまえはだれだ?」
 毎日
 毎日
 鏡をみるたび
「おまえはだれだ?」
 毎日
 毎日
「おまえはだれだ?」
 毎回
 鏡の向こうに見える顔は
 だれだ?
 おまえは
 だれだ?
 おまえは
「おまえはだれだ!!」
 鏡の向こうの
 知らない
 知らないぞ!
 毎日
 毎日
 こっちを見ている
 毎日
「だれだ! みるな、やめろ、おまえはだれだ!?」
 鏡の
 中の
 お前はニタリと笑って

「……お前こそ誰だよ」

 あああああああああああああああ!!!!


■ 144 ■

 真っ赤な傷は癒え
 かさぶたを経て古傷となる

 戦争を経験した戦士たちの記憶には

 それでも
 あの刹那の緊張が
 鮮やかに残っている

 背中の勲章が
 癒える時はもうない


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 虜囚のシャツに穴が 空いた
 首をつっこんで外を 覗いた

 秋晴れの稲穂がざざ 映った
 幼いころのおもいで だった

 誰かの背中が見えた 母親だ

 そうだ あの丸い背中を俺が
 嫌いだ と言ってしまった日
 凪いだ 稲穂がざざ非難して

 泣いた 旅愁のシャツを脱ぐ
 空いた 穴を引き裂く仕草で

 しばらく震えて手を 下げた

 窓に虜囚の泣き顔が 映った


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--Presentation by ko-ka--