■ 11 ■
暗殺される夢にエーカーゲーが反応した
乱れる電気信号に夜勤の看護婦が反応した
どちらにせよ
鳥は眠る
暗殺される夢にエーカーゲーが反応した
乱れる電気信号に夜勤の看護婦が反応した
どちらにせよ
鳥は眠る
細菌の汚染は着々と進み
したたかな
構造は
それらを許すかのように見えた
今
僕の降らせた雨を誰が食べてくれるか
じ と
奥の子宮の具合
で
は
ひ とりの子供は生きられないかも知れません
最近の汚職は着々と進み
したたかな
老人は
それらを許すかのように見えた
今
君の降らせた雪を誰が飲んでくれるか
し と
奥の楓の遺体
で
は
ひ とみの鼓動は空けられないかも知れません
痛い痛い痛 い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛 い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛 い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「そんなに痛きゃ死ねば良いじゃない」
「死んだら痛くなくなるのか?」
「そうだけど、死ぬ前は痛いだろうね」
「じゃあいやだ」
「そういうのを日本語で、自殺未遂っていうんだよエマ」
その視線に愕然とする
ワカラナイふりをして
酸素の悲鳴は聞こえないように
妄執に押しつぶされないように
「痛いよ」とつぶやく
ほうろう ほろほろ ほっといて
しょうどう ころころ ささってく
もうろう もろもろ もうそうで
こうどう ころころ かわってく
ろうろう ひりひり きりさけば
じょうとう ほたほた ちがたれる
たじろう きみたち おいてって
もうどう しようと ぼくのかってさ。
自動骨。
おれは魚か?魚はおれか?
ごく菜食の聾唖の夢を見た。
無脊椎図鑑を完成させるために必要なものは全てここにあって
ここには全ての が ない。
君は糸からたやすく落ちる。少しの鐘だけ鳴らして雪道をがた と
ふるえながら歩いた。
指を。一度汚いものを触るように こめるのはクセなんだろ
本当はそうなんだろ本当はそうなんだろ本当はそうな ?
極彩色の牢屋の鰾にひたった。
魚はおれか?おれは魚か?
無動目。
虚無
拒絶
興味ない
今日
強風
極力
興じない
共感
共生
興味ない
境地
境遇
今日すら
興じない
おととい刺されて、今日が退院。
さ、もう一度やられに行こうかな。
死に至るには、途方もなく浅かったのでね。
明るい病室の窓辺に
群青いろの影が踊り
遠ざかる少女達の声
あくる日の窓辺には
ひどく紫蘇いろの瓶
飾られた見舞いの花
枯れる窓辺に今日も
群青いろの影が踊る
痛みが心の声を消し
なにもいえないなか
硝子に光が通り過ぎ
やがては夜へと沈む
指のさきを曲げても
つかむことは叶わず
口を閉じ 深く眠る
独りきりの白日より
クスリ 君は笑って
クスリ 頂戴? と言う
その瓶に入った白い錠剤を天井から降らせたら
君は 雪虫の概念をわかってくれるのだろうか
天井の奥の空に向かって
傷ついた両手をずうとあげていてほしい