■ 雨 ■
■ 11 ■
雨が降ると
嬉しさのあまり
気が
どうにかなってしまう人種なのだろう
雨になにか
思い出したくない記憶でも?
なんて
自分に聞いてもわからない
他人に言ってもわからない
シトシトとザアザアなら
どちらかといえばサメザメ
か
な
。
■ 12 ■
みんな
雨を見ているんだね
みんな
雨を見ているんだね
いろんな雨が
降って
いる
もしかしたら
同じ雨なんてないのかも
知れない
ですね
同じ場所でも
みんな
違う
雨を見ているんですね
泣きそうだよ
ひとりで
■ 13 ■
かなり激しい雨は、次第に止んでいった。
最初は
ただ雫を受け入れていたダケの僕も
傘を差したり
天を仰いだりするようになってきた。
そのうち僕は、雨が
もっと降ってくれればいいなと
思うようになって、けれど、一旦そう思ったら
雨雲は僕に一生近づかなくなった。
僕は渇いている。
しかし、雨は一向に降る気配を見せない。
僕はあきらめて、
前までそうしていたように太陽の光を身にあてて、
一直線の道を走ろうと思っている。
雨は僕に色んなコトを教えてくれた。
だから、僕は雨が好きです。
太陽は僕のまぶたひとつ蔑ろにしていなかった。
僕の汚い部分も封印しそこねた傷も、
なにもかも含めて僕の全部を見てくれたのは
太陽が初めてだった。
だから、僕は太陽も好きなのです。
僕はまた歩き始める。
雨が降っていた間中、僕は止まったままだって
気づいたから。
もう、あの懺悔の涙ような雨は
太陽が沈まないかぎり見ることはないでしょう。
……And End Of Rainy.
■ 14 ■
そのうち雨が大粒の涙を連れてきた今日。
階段はワルツに最適の場所で。
わざと包丁で手を切った。
痛くて寝付けなかった夜。
君の寝顔にいたずら描きをしてみたかった。
まるで毒蜂に刺されたような寝顔。
ヨーグルトしか食べないでいた朝。
それも砂糖ぶんの一番多いやつ。
人を一人殺した。
性別を血だけで判断するのはムツカシイ。
仕事が終わるといつも聞かれた昼。
今日はなにをしたの?
高いビルから飛ぶ。
そのうち太陽が光の針を降らせてきた。
もう会いたくないから逃げ出した昨日。
そうか殺せばよかったと舌打ちをした。
スピリカチュアルブルー。
その単語が全てを説明しているのに。
そのうち青が霹靂を連れてきた今日。
憂さ晴らしで抱いた彼女が愛してると言った。
■ 15 ■
傘を打ち散り灰地に滲みて
歩行者は上をみてばかり
白だけ歩けばイイコトあるよ
緑を青と 押しつけたのは
雨色を青と 押しつけたのは
黒いところはハズレだよ
靴底で踊る宴も知らず
電源と四角見てばかり
■ 16 ■
たまらぬ部屋で逆回転 逆回転 E T Y J
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
放送禁止の 大都会で
立ち入り禁止になっている
片足立ちで逆回転 逆回転 J Y T E
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
コッツントッツン PPP トツツツTコココトコココ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
黄色い巨大な密室で 黒猫ニャーニャー鳴いている
たまらずベアで逆回転 ギア競る馬油を持ちたまえ
放蕩禁止と閉じ込めた (放送禁止)が泣いている
旗あげ価値なし逆回転 逆回転なら E T Y J
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったらAOを呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
無敵になったらAIを呼ぶ
無敵になったら雨を呼ぶ
■ 17 ■ BYE BYE BABY LOVER ■
<雨の中で立ち尽くす二人の影はゆれてゆれて白い映画のような傘だけが止まっている街へ>
愛は言葉で考える程
愛じゃなくなるのよ
そんなコトも解らなくなるのは
貴方のせい
恋の始まりは恋の終わり
誰でも知ってるコト
寂しい月夜が続くのは
どうしても耐えられない
Bye Bye Baby Lover
「愛してる」と言って欲しい?
嘘でもイイ?
涙の理由?
言ったとして何か変わる?
何も変わらない
Bye Bye Baby Lover
「愛してる」ともぉ言えない
嘘になるの
振り返らず
離れてゆく気持ちを今
空に放つの
<雲の合間差し込む光の中で雫が踊る>
…Bye Bye Bye Bye…
<これからの二人はきっと独りで歩いてゆくのだろう>
Another Rainy Bye…
■ 18 ■
■ 9 ■
春雨のコンクリートの匂い
せっかく仕舞ったマフラー
中々ひらかないビニール傘
雨上がりの春一番とキテキ
もうチョットだけ寒いけど
庭のパンジーが咲きました
■ 20 ■
寒に晒された電柱鳥が
ちろちろ囁く星見つ啼きて
夜分の雨は
等しく打つは
無くも許さぬことでせう
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