■ カレッツァ ■

 例えばこの世から 真白い薔薇
 無くしてしまうには どうずればいい?
 たえまなく続く 荒い息づかい
 貴方の唇の花をください
 
 どんよりと暗い外は ガス灯と
 河の流れる音が 響いている
 この夜はずうと 終わらないから
 美しい仕草で 指をかみましょう
 
「壊してください、貴方の全てで」
 
 首すじに光る プラチナの犬も
 足からはずさない アンクレットも
 波間のようなシーツの光で
 二人の間に輝き踊る声をきかせて
 
 キラリヒラリと浮かぶ 足のDance.
 どうしようもなく霞む 虹がみえる
 あぁ、その閉じかけた瞳の奥にー…!
 
 怖くてふるえる貴方のその涙をすくいたい
 どんなに勝手だろうと構わず
 蜜の味確かめるように 笑って近づいていく
 そっと糸にかけていく 耳もとでささやいて
 
 いつもスグだめなんだ 欲望が大きすぎて
 目の前の壁なんて とうに崩れているから
 
 貴方のその髪
 
 例えばこの世から 貴方のことを
 消してしまうには 何をすればいい??
 こんなにも愛の海が 深いとは
 気づかずに ここまで来てしまったね
 
 テーブルの上にあった 薔薇の花
 ちぎって貴方の胸に 散らしたら
 その花びらに 嫉妬してしてしまって
 頭をかかえた 三時の鐘音
 
「壊れてしまいそう、貴方のせいで」
「壊してしまいそう、貴方の全て」
 
 甘く香る爪の傷
 抱きしめたその瞬間に
 涙がひとつ
 貴方の頬におちてしまったけれど
 
「このままでいい。これまでもそしてこれからも、ずうと」
 
 ひざまづいて 祈った言葉たち
 灰に染まった 空の遠くの
 光るハズもない星々と雲へ